大胆!スピード感のある中国のICT教育改革

DKT事務局です。今年はSICTIC2015に参加していないので、2012、2013、2014と中高生チームを中国に引率し、感じた事を書きました。

一昨年夏、中国の教育部(日本で言う文科省)が主催したSICTIC2013ではアメリカのSTEM教育のカリスマを招致し、中国の小中高生相手に講演が行われていました。その一人がRoboRAVEの代表、Mr.Fisher。

RoboRAVE代表のフィッシャー先生と通訳の女性Sictic2013

親や先生の言う事や社会の常識を疑い、自分で考える批判的思考を持たなければいけない!!

君たちはロボットか?それとも自分で考えるか!?

新しいツール(ロボットなどの最新テクノロジー)を学ばなければ君たちは時代に取り残され、将来職につけなくなるぞ!!

robot1Mr.Fisherはロボットを使ったSTEM教育をアメリカの公立高校やチャータースクールに推進させてきた科学の先生だけあってスゴいパワフルなピッチ力。
中国のエリート小中高生たちになんとも大胆な内容。しかも引率の中国の先生方にも生徒の前で「新しい教育をとりいれなければ子供たちはだめになる!」というピッチも行い,「子供たちの将来のためにサイエンスを学ばせたくないか?」と先生方には問いかけていた。14年もの歴史のある中国ICT大会会場で現状と違う斬新な教育法を伝授という日本の文科省ではありえないスピード感。

当時の中国の子供たちは普段の先生の言っていることとあまりにも違ったため、批判的思考が理解できず「僕はロボットです!!」と何度も答えてしまい、カリスマ教育者を困らせていた(笑)

SICTIC2014では普通の小学生が体育館で自分達だけでロボットを調整

翌 年のSICTIC2014では作業場と大会会場に指導者である小中高の先生方は完全シャットアウト。ロボカップジュニア競技と同じように生徒だけのチーム活動 で試行錯誤し、生徒達の人間力を促す大会となっていた。顧問の先生が指導者としてチームをしきる日本の学校が行う大会とは明らかに違う新しいものになっていた
この大会で入賞した生徒はそれが特点化され、大学の推薦入試などが決まるので先生等いなくても生徒達はみな真剣。

botball5
STEM教育としてBotBallの講習やピッチも行われたsictic2013。2014には正式競技に

3年前のSICTIC2012では海外の中高生チームを呼び、国際会議で意見を求めた。「この大会ではロボットのオリジナリティがなくてつまらない」と言うロボカップジュニアの海外チーム達。

SICTIC2012.jpg
ドイツやオーストラリア、香港、アメリカ等の代表チームを招致していたSICTIC2012

子供たちオリジナリティを促すためにどうすればよいか?と思ったらすぐに海外からSTEM教育者を数名呼んですぐに実行。
その結果、SICTIC2012では生徒に技術的な質問すると「わからない」と答え、 かわりに指導者の先生が答えていた中国チームが2014年には子供達だけで自信を持って自分のロボットの技術的な受け答えするように変わっていった。

2012年には日本より遅れていた中国の教育が2014年には追い越されてしまったと感じた。

日本ではグローバル化とか教育改革とか国も政策を試みているようですが、中国とは違い、ゆっくりしたスピードで変革が行われているようです。
2年前のSICTIC2013の表彰式で流された大会動画(リハーサルを撮影したものだと思われる)
子供達や応援しにきた保護者にしてきたことの理解と感動を与える編集動画になっています。TVの番宣のような魅力的な動画ですが、毎年翌日の表彰式のためだけに超迅速に製作されているようです。

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